第1章 【誘拐】

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体は正直だ。 「ふん。好きにしろ。 電話の準備はできたか?」 ビデオカメラと繋がっているノートパソコンの前にいる男に、そう声をかけると男はOKのサインを手で出した。 そしてビデオカメラの電源が入り、何もない部屋に電話の呼び出し音が響く。 何? 携帯は使わないの? その時だった。 ジョキッ!! えっ…。 パラパラと私の足に落ちたのは、ずっと伸ばしてきた髪の毛…。 「ちょっと!! 止めて!!」 私の髪は20センチ程、バッサリ切られた。 「酷い…」 お母さんと同じ色の髪の毛…。 目から涙が流れる。 「やっと泣いてくれたか!! 顔UPにしろ!!」 「呼び出し音が長すぎる。 警察に通報した可能性が高いな」 パソコンの近くにいた男が言った。 そして電話は繋がる。
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