最終章 【永遠の愛】

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「お嬢様? お嬢様!!」 私は目を覚まして、アイマスクを取ろうとした。 「お嬢様!! 駄目です!! まだそれを取っては」 そうだった…これをしていないといけないんだった。 ガチャ!! 「車から降りて頂きます」 誰かに手を掴まれて、私は誘導された。 その手は女性の手だ。 「誰?」 そう聞いても何も答えない。 なんなのよ…いったい。 早く龍ちゃんに会いたい。 あの時みたいで怖い。 私はエレベーターに乗せられて、どこかの部屋に連れて来られた。 そして、ワンピースのファスナーが下ろされる。 「キャァ!! 何!? いったい何なの!!」 「何もご心配はいりません。 どうか落ち着いてお着替え下さい」 この声には聞き覚えが無かった。 急に不安になる。 「本当にこれは龍ちゃんが!?」 「そうでございます」 龍ちゃん…いったい何を考えてるの? 龍ちゃんがこんな私を怖がらせることをするなんて、考えられない。 そして私は人形のように何かに着替えをさせられた。 次は髪をアップにされている。 何なの? 何なの? 不安だけが私の中にグルグルと渦巻いている。 「こちらにお座り下さい。 まだ、決してアイマスクを取らないでください」
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