第1章 【誘拐】

22/35
前へ
/196ページ
次へ
えっ? 私は男を見上げる。 寝たフリ? 男は頷く。 言われた通り壁に寄りかかり目を閉じる。 するとビリッと何かを剥がす音が聞こえた。 次はパソコンをカチカチと操作する音が聞こえる。 何をしてるの? 私は男の指示があるまで寝たフリを続けた。 そしてしばらくすると男は話し出す。 「もういいよ。 目を開けて」 この声…時間を計っていた男だ!! 男は紙袋を持って私の前に座る。 「今、カメラに細工をした。 カメラには寝てるアンタが映ってる」 「なっ…何で?」 男は答えずに紙袋から取り出した毛布を私にかけてくれる。 「どうして!? あなたも仲間なんでしょ!?」 男の行動が理解できない。
/196ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10063人が本棚に入れています
本棚に追加