第1章 【誘拐】

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「俺は最後にこの計画に声をかけられた。 参加するつもりなんてなかったけど、誘拐するのがアンタだと知って、手を貸すことを決めた。 ほら…腹空いてるだろ?」 そう言うとサンドイッチを袋から取り出す。 「アンタの口には合わないかもしれないけど…」 「だから手が…」 「手錠の鍵はアイツが持ってる。 だから嫌かもしれないけど、俺が食べさせるから」 そして袋から取り出したサンドイッチを私の口元に運ぶ。 毒とか…変な薬が入ってたりしない? 私は警戒して口を閉じた。 「安心しろ。 大事な人質を殺したりしない」 そう言うと1口分くらいに手で切ったサンドイッチを、バンダナの下で自分が食べて見せる。 「ほら!! 食べろよ」 私は安心してサンドイッチを口にした。 「どうして優しくしてくれるの? さっきも止めてくれたよね?」 「俺はアンタを知ってるから…」 私の知り合い!? 「誰!?」 「それは今は言えない」
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