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「はい…わかった…」
「偉いな」
そう言って私の頭を優しく撫でる。
「可哀想に…綺麗な髪だったのに…」
バッサリと切られた私の髪に触れる。
「じゃあ…はい。
水。
ゆっくり寝るんだぞ?」
私は男の言う通りに薬を飲んだ。
「眠ったら俺は帰るから」
「わかりました…ありがとう」
「いいや…礼なんて言う必要は無い。
アンタは被害者だ。
悪いのはこっちだから。
じゃあ、おやすみ」
男は立ち上がろうとする。
「あの…眠くなるまで…話しててもらえますか?」
すると男はまた床に座った。
「アンタ…父親のこと嫌いなのか?」
「……嫌い…」
「どうして?
何不自由無く暮らせるのも父親のおかげだろ?」
確かに…この人の言う通りだ。
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