第1章 【誘拐】

27/35
前へ
/196ページ
次へ
「でも…私は普通の家庭に生まれたかった…。 小さな家で、家族でご飯を食べて、休日は一緒にでかけて…。 そんな平凡な家庭で良かった…」 「へぇ…金持ちのお嬢様にも悩みはあるんだな」 男は私が眠るまで、傍にいてくれた。 そしていつの間にか深い眠りに落ちる。 その後、男がどんな細工をしたかも知らずに…。 「おい!! いつまで寝てんだ!!」 ガン!! 「ぅっ…いったぁい…」 足を蹴られて起きた。 薬のせいか、目を閉じたと思ったら一瞬で起こされた感じ。 今日も現れたのは4人…。 この中に昨日の人もいる。 でも、意識はするなと言われた。 私は敢えてその人を4人の中から探さなかった。 「神経質なお嬢様は、こんな所じゃ寝れないんじゃないかと思ったら、随分グッスリ眠ってたな」 薬をもらわなければ絶対に眠れなかったと思う…。 「…私、どこでも寝れるから…」 それにしても今何時なんだろう…。 身代金を用意するタイムリミットは正午。 お父さんは用意できたのだろうか…。
/196ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10063人が本棚に入れています
本棚に追加