第1章 【誘拐】

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そしてサングラスとバンダナを外した。 私の目は大きく見開く。 「龍ちゃん…」 私の目からまた涙が流れる。 「何でわかった? 俺だって」 優しい目…変わって無い…。 「いつも…ひっくっ…美華は偉いなって…ぅっく…撫でてくれた…」 「はぁ…。よく覚えてたな」 龍ちゃんはまたサングラスとバンダナで顔を隠す。 「俺とは他人のフリをしろ。 じゃないと2人とも殺されるぞ」 「何で龍ちゃんまで!?」 「とにかく…俺はアイツらの所に行く。 いつまでもここに居たら不審に思われるからな。 美華…いいか。 よく聞くんだ。 俺がお前を守るから…だから今は他人のフリを貫いてくれ。 わかったか?」 私は泣きながら何度も頷いた。 「よし…偉い…良い子だ」 そう言って頭を撫でて、龍ちゃんは出て行った。 こんなところで龍ちゃんに会うなんて…。
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