第1章 【誘拐】

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そして3時間後の電話ではビデオカメラは回されなかった。 父親が私の無事な姿を見せろと言ったけど、犯人達はそれを拒否した。 父親を不安にさせて揺さぶる計画か…龍ちゃんが私を守ってくれたか…。 「6億は用意した。 どうしたら良い!?」 カチカチカチ…。 「本気になれば用意できるんじゃないか。 娘の命より金が大事だったのかな?」 あの父親ならあり得る…。 「それより、この金をどうしたら良い!?」 カチカチカチ…。 「お前の携帯と6億を秘書に持たせろ。 警察の車が1台でも追跡してたら、娘は殺すよ?」 「わかったから娘を無事に返してくれ!!」 カチカチカチ…。 「今後の指示は携帯にする。 秘書は車に金を積み、横浜方面に走れ」 ブツッ…、ツー、ツー。 「ふん。最初から6億くらいの金用意できただろうに」 さっきの男が言う。 「ここからは、別行動だ。 それぞれ配置について連絡を待て」
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