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「復讐って…。
あの3人は何者なの!?
龍ちゃんもあの人を恨んでるの!?
父が何をしたの!?」
私は復讐という言葉を普段耳にすることはない…。
テレビの中の世界たけだと思ってた。
その相手が父なんて…。
「あの3人は…」
その時だった。
ドンドンドン!!
ドンドンドン!!
ドンドンドン!!
何!?
私は龍ちゃんの顔を見た。
龍ちゃんは人差し指を立てて、私に声をださないように指示をする。
怖い…不安で龍ちゃんの服をギュッっと握った。
「怖いよ…龍ちゃん…」
私が小声でそう言うと、龍ちゃんは私を片手でギュッと抱き締める。
そして龍ちゃんの顔がゆっくり近付く。
「このまま動かないで。
もし、中に誰か入ってくる事があっても、俺が居たことは言うなよ?
俺と美華は知り合いじゃない。
いいな?」
耳に吐息がかかる。
キスされるかと思った…。
今も胸がドキドキしてる。
そして龍ちゃんは立ち上がる。
「行っちゃうの!?」
私は泣きそうな顔をして龍ちゃんを見上げた。
「行かないと…。
今ここでバレたら美華を救えない…。
いい子にしてるんだ…」
そう言って頭を撫でる。
ドンドンドン!!
ドンドンドン!!
「龍ちゃん…」
窓辺に向かう龍ちゃんの背中を見つめる。
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