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すると龍ちゃんはクルリと振り向き、引き返して来た。
フワッ…。
チュッ!!
えっ…。
「必ず戻るから」
そう言ってカーテンがされた窓を開けて外に出て行った。
顔がカァーっと熱くなって、胸がギュッと苦しくなる。
私のファーストキス…。
龍ちゃんはあっさりと奪って行った…。
心臓がバクバクと破裂しそう。
優しく触れた唇の感触がまだ残ってる。
パン!!パン!!
ガシャン!!
えっ!? 何!?
私がドアを見た瞬間、ドアノブがガチャンと床に落ちた。
そしてドアが開く。
犯人の1人!!
身長からして男!!
手に持っている黒い物体を見て、私は青ざめた。
ピストル……。
そしてゆっくり私に近付く。
「イヤ…来ないで…」
私は首を横に降った。
「今、誰か戻って来ただろ?」
いつも私に乱暴する男だ…。
ピストルまで持ってるの!?
私は首を横に降った。
「嘘つくなよ!!
誰か戻って来ただろ!?」
龍ちゃん…疑われてる…。
「誰も来てません!!
本当です!!」
男は私の額にピストルの銃口を突き付けた。
体がガタガタと震える。
「本当のこと言わないと、殺すぞ?」
ゾクッ!!
「本当に…誰も…」
怖い…龍ちゃん…。
涙が流れる。
「まぁいい。
それにしてもお前、人質にしておくにはもったいないくらいの上玉だな」
ピストルをズボンの後ろに閉まって、私の顎を掴んだ。
この男と2人は危険だ…。
男は私にかけられていた、龍ちゃんの上着を剥ぎ取る。
「こっちは、お前の父親に人生めちゃくちゃにされたんだ…。
お前の人生もめちゃくちゃにしてやるよ」
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