第2章 【真の目的】

4/42
前へ
/196ページ
次へ
すると龍ちゃんはクルリと振り向き、引き返して来た。 フワッ…。 チュッ!! えっ…。 「必ず戻るから」 そう言ってカーテンがされた窓を開けて外に出て行った。 顔がカァーっと熱くなって、胸がギュッと苦しくなる。 私のファーストキス…。 龍ちゃんはあっさりと奪って行った…。 心臓がバクバクと破裂しそう。 優しく触れた唇の感触がまだ残ってる。 パン!!パン!! ガシャン!! えっ!? 何!? 私がドアを見た瞬間、ドアノブがガチャンと床に落ちた。 そしてドアが開く。 犯人の1人!! 身長からして男!! 手に持っている黒い物体を見て、私は青ざめた。 ピストル……。 そしてゆっくり私に近付く。 「イヤ…来ないで…」 私は首を横に降った。 「今、誰か戻って来ただろ?」 いつも私に乱暴する男だ…。 ピストルまで持ってるの!? 私は首を横に降った。 「嘘つくなよ!! 誰か戻って来ただろ!?」 龍ちゃん…疑われてる…。 「誰も来てません!! 本当です!!」 男は私の額にピストルの銃口を突き付けた。 体がガタガタと震える。 「本当のこと言わないと、殺すぞ?」 ゾクッ!! 「本当に…誰も…」 怖い…龍ちゃん…。 涙が流れる。 「まぁいい。 それにしてもお前、人質にしておくにはもったいないくらいの上玉だな」 ピストルをズボンの後ろに閉まって、私の顎を掴んだ。 この男と2人は危険だ…。 男は私にかけられていた、龍ちゃんの上着を剥ぎ取る。 「こっちは、お前の父親に人生めちゃくちゃにされたんだ…。 お前の人生もめちゃくちゃにしてやるよ」
/196ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10063人が本棚に入れています
本棚に追加