第2章 【真の目的】

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愛の無い見合い相手や、あの男に奪われるなら初恋の相手の龍ちゃんなら、私は後悔しない気がする…。 この状況でそんなことを考えている自分にハッとする。 何考えてんのよ…。 私は人質…生きて帰れるかもわからないのに。 龍ちゃんが掛けてくれた上着は、投げ捨てられている…。 私は寒さに震えながら、数時間を過ごした。 身代金の受け渡し…どうなっただろう…。 お金よりも、その運び役をさせられている秘書さんが心配…。 危ない目に合って無いと良いけど…。 すると外で声が聞こえた。 「ちょっと!! 誰よ!! こんなの置いたの!!」 女の声。 「ドアも壊されてる…」 あっ!! 龍ちゃん!! 「俺は知らないよ」 あの男…。 アンタじゃない!! ガチャ!! 扉が開き、私はそちらを向いた。 龍ちゃん…。 アイツにされたことを思い出すと泣きそうになる。 でも、それを必死で堪えた。
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