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「おい!! お前、何した!?」
龍ちゃんが下りて来て、男の胸ぐらを掴む。
「別に何もしてねぇよ。
この女が自意識過剰なだけじゃねぇの?」
酷い…。
私はポタポタと涙をこぼした。
「お前、場所変われ!!
あと2階上まで行くんだ」
今度は龍ちゃんが私の後ろを歩き、あの男が先頭を歩く。
私は涙を拭くこともできず、ただ無言で階段を上がった。
すると後ろ手をギュッと握られる…。
龍ちゃん…。
その優しさに余計涙が出た。
そして新しい部屋に入ると、さっきの部屋と全く同じ作り…。
私は同じ場所に座らされて、また足を縛られる。
ビデオカメラとパソコンも設置された。
ただ違うのは、龍ちゃんが1度縄をほどいてくれて私にジャージの上着をちゃんと着せてくれたこと。
そしてまた縄で縛られたけど、龍ちゃんは今までよりも少しゆるく結んでくれた。
縄の跡がクッキリと私の手首についてしまっていたからだと思う…。
こんな優しい龍ちゃんがどうして誘拐犯なんかに?
どうして父の命を狙うの?
復讐って何の?
そして、私を残して3人は出て行った。
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