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さっきの重そうなバッグ…6億が入ってるのかな…。
龍ちゃんはそのお金をどう使うんだろう。
私はどうなるんだろう…。
それからしばらくして、また龍ちゃんだけが紙袋を持って戻ってくる。
部屋に入れるのは龍ちゃんだけだから、声を聞かなくてもわかる。
カメラを覗きながら、私に寝たフリをするようにジェスチャーし、私は言われた通り昨夜と同じ体勢でまた眠ったフリをした。
「もう良いよ」
その声で目を開ける。
「せっかく一晩寝てる映像を撮ったのに、服装と場所が変わったからやり直しだ…」
そう言って龍ちゃんは私の前に座り、帽子とサングラス、バンダナを外した。
「あっ…そっか…また薬飲まないとね」
「いや…今日はまだ良い。
監視ビデオを見てるヤツは居ないだろうから」
「そうなの?」
「まぁ…いろいろあってな」
そう言うと、袋の中からコンビニのお弁当を取りだす。
「栄養のバランスが良さそうだったから、これにした」
龍ちゃんは笑顔を見せた。
「ねぇ…龍ちゃん…聞いて良い?」
「駄目」
えっ…。
「誘拐のことや身代金のこと、親父さんのことなら今は答えられない…。
知らない方が良いこともある」
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