第1章 【誘拐】

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無視したらどうなるの? まず、写真が何かがこの手紙ではわからない…。 どこかで隠し撮りされた? それとも…父の写真? どうしよう…朱里に相談するべきかな…。 私は手紙を机に閉まって、朱里の背中を突いた。 「何?」 朱里は小さな声で私に尋ねる。 「この手紙…持って来たのってどんな人?」 その人を見つければ、何か情報が得られるかもしれない。 「何? 興味出てきた?」 「うぅ…ん。なんとなく」 私は冴えない返事をする。 「へぇ!! 珍しいね!! でも、さっきも言ったけど、その手紙を持って来た人は差出人じゃないみたいだよ?」 「制服は着て無かったの?」 高等部までの人間なら制服を着ているはず。 「私服だったよ? だから大学の人かなって思ったの。 待ち合わせの場所とか、連絡先とか書いてないの?」 書いてあるんだけど…。 なんとなく朱里に心配かけたくなくて言えなかった。 ただ…凄く嫌な予感がする…。 ラブレターじゃないことだけは確か。
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