第1章 【誘拐】

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でも裏門に行かなければ後悔する気がした…。 「一緒に行こうか?」 朱里はそう言ってくれる。 「ううん。大丈夫。 ありがとう」 「そう? 後で報告してよね」 朱里は笑って前を見た。 こんな脅迫めいた手紙を送りつけてくる人の所に、朱里を連れては行けない。 怖いけど…1人で行かないと…。 写真…、写真…。 私は窓から見える景色を眺めながら考えていた。 そして、あっという間に放課後になってしまう。 「美華、行くの?」 「うん…まぁね」 「美華がラブレターの相手に会いに行くのって、久しぶりだよね。 それだけ強烈なラブレターだったってこと?」 朱里は冷やかすように笑う。 確かに…強烈だった…。 「内緒。 それより…朱里にお願いがあるんだ」 「何?」 「あのね…」
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