七話 ありがとう

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綾は、無言で笑い メイクを落とし続ける。 ほぼノーメイクになった顔は、いつもの綾だが、髪は蛇の細工が施され、服装も黒いゴシックドレス。違和感は、隠せない。 「千恵ちゃん、強引にごめんね でもこうでもしないと  会ってもらえないと  思って。」 千恵は、ほっとしたのか ペタリと床に座り込む。 そして綾は、千恵の隣に座り口を開く。 「こんな格好で来たのは  話をちゃんと  聞いてもらいたくて!」 千恵の目を逃がさないように見つめ綾は、真面目な顔をする。 「不幸自慢しちゃう」 そう呟き微笑んだ綾は、いつもと変わらぬ笑顔だった。
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