三話 もう無理っす…

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「ねぇ。何でなおくんバンドを やらないの?」 数秒黙った後に 直巳は、煙草を深く吸い込み 吐き出す。 そして… 「そうか。そいえば一番最初に 会ったのは、  “あの楽屋”だったよな。」 「うん。  ギターの人と言い合ってた」 「ああー。なるほど。」 直巳は、煙草を消し ビールを飲みほすと カクテルを注文する。 ビールとジンジャーエールを 割ったカクテルだ。 「まぁ。いいじゃんか。」 「よくないーまた隠し事ー」 「ええー!  またって何だよまたって」 「もういいです~。」 千恵は口を膨らまし いじけてしまう。 直巳は、それを見て溜め息を 一つつくと。 「じゃあお前は、何か  ないのかよ。  お前だって自分の事を  あんまり話さないじゃん」 「うーん。話してるよ~。」 「全然知らんわ!」 そんなやりとりをしてると バーテンが、カクテルを 運びながら直巳に 耳打ちをする。 「あの…なおさん  ちょっといいですか?」 「うるさいなー  今大事なとこ!」 そのやりとりを見て千恵は… 「また隠し事ー」 口を膨らまし 泣き真似をする…。
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