四話 逃げるな!意気地無し!

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「お前が一緒のマンションに  住んでると思わなかった。  どんだけ運命なんだよ。」 先にエレベーターの 前に居た直巳は、そう言い 千恵の手を優しく握る。 千恵は笑顔を取り戻していた。 「ねぇなおくん~。  今日は、何処行く~?  久々だしねー」 「……。」 直巳は、急に黙ってしまう。 やはりまだ怒っているのか…? 「ねぇ…なおくん…?」 「……。」 直巳は、千恵の手を引っ張り 無言で歩く。 駅に着くと千恵の分の 切符を買う。 無言で切符を手渡され 千恵は受け取った。 山手線に乗り、新宿で 乗り換える。 京王線の乗り口に無言で 進んで行く。 すでに到着していた急行に 二人は急ぎで乗り込む。 千恵は我慢できなくなり 直巳を 問いただそうとしていた。 直巳は、ニコリと笑い 二人並んで座る。 「ふぅ…」 直巳は、重いため息を 一つていた後 ついに口を開いた…。 「アン…いやアリスの今彼の  とこに行く。」 「え!アリスって…  なおくんの…元カノ…  今彼って…  別にいいよぉ…  この前のは  お酒飲んで  酔っただけだし…」 直巳は、千恵を見て 優しく微笑むと 髪を撫でる。 「てか…そう言うと思って…  ずっと無言でいた。  会って欲しいんだ。」 直巳の真剣な目に 千恵はこくりと頷く。
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