四話 逃げるな!意気地無し!

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二人は、千歳烏山で下車するとタクシーを拾い乗り込む。 「ねぇ…何でアリスちゃんと  別れたの?」 「……」 「ぷー!」 千恵は口を膨らませる。 直巳は、その姿を見て ため息をつき微笑んだ後に 語り始める。 「振られたんだよ。」 「ええー!  じゃあまだ好きなんだ!」 「てめえこの前の  繰り返しかよ!」 直巳は、そう叫び 両手で千恵の頬を引っ張る 「俺が好きなのはてめえだ!  お前以外の女なんて  生きようが死のうが  関係ねぇわけ!」 「ふぐゅ…ふぎゅぎゅ!」 頬を引っ張られてる千恵は 訳のわからない言葉で叫ぶ。 運転手がやりとりを見て クスッと笑うのに気付き 直巳は、両手を離す。 「当然の事言わすんじゃねぇ」 そう呟き窓に顔を 向けてしまう… 千恵は、自然と笑顔に なっていた。
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