四話 逃げるな!意気地無し!

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「YOSHIKIは…  死んでなんかないし!  なおくんがこうやって  ぐちぐちぐちぐち…  言ってる間に誰かが  YOSHIKIの曲聞いて  YOSHIKIの声聞いて  誰か  きっと救われてるもん!」 「犠牲の上に成り立った  音楽じゃねーか!」 「犠牲て何!なおくんだって  セフいっぱいいたし!  他の麺だって  蜜やセフばっか!」 「いや…ちょっとそれは  語弊がありすぎかと…」 千恵の勢いに直巳は 圧倒されていく。 「犠牲が何よ!  それで良い曲が  できてるなら良いし!  そんだけ  音楽大事だったんでしょ!」 「……。」 千恵はまたスーッと 深く息を吸い込む。 「いつまでも逃げてないでよ! 魔王でしょ!!!」 静寂な墓地に再度千恵の叫びは木霊する。 数秒の沈黙の後… 季節はずれの突風が一陣吹き 墓前のギターを掻き鳴らす 「はははははははははは!」 直巳は高らかに笑い声を上げる 「な、なおくん…?」 笑い続けた後に直巳は 墓地を睨む。 「確かに千恵!  お前の言う通りだ!  あいつは生きてるな。  今でも皆が知ってる限り…」 千恵は直巳を 真剣な眼で見つめる。
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