“業の火”

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「なっ……」  なんでアンタがここにいるのよ――と言おうとして、璃光子は口をパクパクさせた。(いか)れる不死鳥の迫力にびっくりして震えていたのもあるが、今まさに人がひとり殺されたと思っていたのに、それがこうして生きていたことに拍子抜けしたのもある。 「ああ、アレ(爛然)ー? アレは作り物(幻影)だよー。ボクは大丈夫だから心配しないでー」  嬉しそうに言って、怯えている璃光子に頬ずりする晨暉。  放心状態だった璃光子はその過度なスキンシップに抵抗する余裕もなかった。 「晨暉! 無事か!?」  そこに、息を切らせた黒陽と爛然が到着。不死鳥の背中を切り裂いて火芽香を引っ張り出そうとしていたが、直前で不死鳥に飛び立たれてしまい、作戦を中断して走ってこちらに合流してきたところだ。  着くなり、黒陽は「なにやってんだ」と言いながら晨暉の肩を引っ張って璃光子から引き剥がした。 「あ、爛然やばくない? 不死鳥に見つかったら狙われるよー」  後ろに倒れそうになりながら、晨暉は爛然に忠告する。  爛然は汗を拭きながら、「やっぱり?」と言って軽く笑い、 「じゃあ晨暉くん、僕を隠してくれるかな? 今度こそ成功させないとね」  やる気満々の顔で余裕に微笑んで見せた。  ここからは、反乱軍の総力戦だ。    
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