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校門まで向かう途中で思い出した。
あ、私、電車で帰らないと…
疲れてるのに、まだまだ歩かなきゃいけない事を思うと、ため息が漏れる。
自転車を取りにいくみんなを待っていると、真っ先に来た好美先輩。
「あれ、サキちゃん、自転車は?」
「朝、パンクしてて」
苦笑いを浮かべて答える。
「家、近かったっけ? 近いなら一緒に」
「あ、電車で帰るんで。ありがとうございます」
好美先輩の家とは逆方向。
しかも、先輩の家は学校からも近いらしい。
「じゃ、自転車貸してあげるよ?」
気持ちは嬉しいけれど、返す時に困るので遠慮しておく。
自転車を取ってきた部員達と校門を出る。
「バイバーイ、また明日ねー」
「じゃあなー」
方向の違う部員達と別れ、私も駅まで歩こうとした所で、
「サキ」
ナオくんに呼び止められた。
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