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学校近くのコンビニ。
自転車から降りた私の隣を当たり前のようにナオくんも自転車を押して歩いてくれる。
こんなさりげなく優しくされると、私は特別な存在なのかなって思ってしまう。
話をしながら学校の門まで2分。
「おー、加藤、おはよー、
あ、マネージャーと一緒だったんだ?」
バスケ部の先輩で、ナオくんの友達に後ろから声をかけられた。
振り向いて笑顔で挨拶する。
「おはよーございまーす」
「え、なに?
一緒に登校してんの?」
ニヤニヤ笑ってナオくんの反応を窺ってる。
「たまたまだよ。 サキ、じゃあな」
「え、呼び捨てじゃん。 あやしー」
「そんなんじゃないし」
言いながら自転車置き場に消えて行ったナオくんの背中を見送って、靴箱に一人で向かう。
確かにそんなんじゃないけど…
特別かも、なんて、ちょっとでも浮かれた自分が恥ずかしくなる。
…でも、二人の時は優しいもんね
思い出して緩む頬を抑えきれないまま教室まで急いだ。
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