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授業が終わって部活に行く準備をしてる私に声がかかる。
「サキ、クラブ行くの?」
中学から一緒の友達。
中川朋美(ナカガワトモミ)
高校入学と同時に少し明るく染めた背中までの髪の毛が、開いた窓からの風になびく。
「うん。今日、入部届けだしてくる」
言って、朋美の綺麗な髪に目がいってしまう。
「サキはナオくんから離れられないんだね」
クスクス笑う朋美は、私がずっとナオくんを好きだって知ってる。
「今日はデート?」
「うん、カラオケ行ってくる」
はぁ、と朋美がため息を吐いた。
「ん?」
「ホントはサキと遊びたいのに…」
唇を尖らせて拗ねた仕草も、朋美がすると可愛い。
「土日は遊ぼうよ。クラブ、午前か午後どっちかだし」
私がそう言うと、華やかな笑顔を見せる。
「約束だからねっ」
クラブ頑張ってね、と言葉を残して、朋美は呼びにきた彼氏と行ってしまった。
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