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部室に向かっていると、後ろから声をかけられる。 「サキちゃん」 「あ、好美先輩。こんにちは」 男バスのマネージャーで、ひとつ年上の 森川好美(モリカワヨシミ)先輩。 見た目はフワフワなのに、マネージャーの仕事が始まるとキビキビしてる。 「体大丈夫? キツくない?」 「あー、ずっと受験で体鈍ってたから。昨日はテレビ見ながら寝ちゃってました。でも」 ガサゴソと鞄を漁る。 「入部届け持ってきました」 「わっ、ホントに?」 目を輝かせて、嬉しそうな好美先輩を見て、ほっとした。 「顧問の竹中先生に渡せばいいんですよね?」 「うん。今は体育教官室じゃないかな?」 「じゃあ、先に渡してきます」 顧問の竹中先生は体育担当。 熱血溢れる先生で、恐いと生徒達は恐れている。 でも、バスケ部のみんなは、そんな先生を慕っていた。 .
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