宣戦布告

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ミネソタ州にある、大きなショッピングモール。 全米でも指折りの巨大さを誇るその場所は、紅い炎に包まれていた。 中にいる人は逃げ惑い、悲痛な叫びをあげながら出口へと走る。 中には警備員や市の警官が配備されていたのだが、人々の避難をすることで精一杯。 なぜこれほどの火災が発生したのかを、突き止める余裕などなかった。 「ヒャハハハハハハ!」 燃え盛る炎の中心で、一人の男が高い笑い声をあげた。 黄金に煌めく金髪。 炎の輝きを反射するそれは、獅子の鬣(たてがみ)のように逆立っている。 そして、鋭い眼光を放つのは、金色の瞳。 まるで野獣を思わせる二つの瞳を両目に秘め、男は炎が舞い踊るショッピングモールの中を歩いて行く。 その背後には、三人の男。 金髪の男に続いて、ゆっくりと男の後ろを進む。 その背後では、騒ぎを聞いて駆け付けたミネソタ管轄のSCH捜査官が、死体となってそこにいた。 その人数は全部で九人。 出口へ向かう謎の四人は、炎に包まれていく死体を見つめ、その表情に不気味な笑みを宿した。
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