第1章

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午前6時。 セットしたアラームが無機質な音を鳴らす。 僕はのそりと布団から抜け出し、カーテンをあける。 外は明るい。 ひんやりとした風が吹いている。 部屋は狭い。 けれどひとりでいるのにはちょうど良い大きさだ。 キッチンに向かい朝食の準備をする。 カロリーメイトと水とサプリメント。 僕はそれだけしか食べない。 これだけで十分。 ひげをそり、顔を洗い、歯磨きをする。 身支度を済ませ、仕事に出かける。 毎日毎日同じことの繰り返し。 明日も明後日もその先もずっと同じことを繰り返す。 「行ってきます」 小さな仏壇に向かいそれだけ言うと僕は部屋を後にした。
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