プロローグ

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 そんな彼女の姿を見て健太は意地悪をしたくなったのであろう。 「ショートカットで小柄な女の子がトラックにひかれそうになってる所なんて見てないよ。」  と嫌みな一言を付け加え先程の事件を見たことを報告する。 「うぅ……今日の健太君は意地悪だよ……確かに飛び出した私も悪かったけど……」  ただでさえ潤んでいる彼女の目がさらに潤んで彼女は今にも泣きそうになる。 「ごめんごめん。でも、君も悪いんだよ?危なくこれから始まる春休みが凄いつまらなく暗い物になるところだったんだから。」  健太は彼女が怪我した場面を想像し、彼女と同じように目が潤んでいく。
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