プロローグ

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 しかし、幸運にもこの微妙な空気を強引に打開する男が大きな袋を2つ携えて駅の方向から歩いて来た。  健太達の近くによって来たその男は健太達を見比べ、全てを察したかのようないやらしい笑みを浮かべてニヤニヤしている。 「おっ泣かした女は億千万の健太じゃないか。ん?なんだこのいたたまれないような空気は?さては健太付き合いたての彼女に変態プレーを要求したのか?変態プレーは3ヶ月経ってからって教えただろ?全く……」  いくら、現実に引き戻されたばかりの彼女でも、ろくな挨拶をせずに言葉をマシンガンのように発するこの男は健太がさっき言っていた頭の弱い店長だと理解するまで5秒とかからなかった。
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