プロローグ

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「ちょっ、ちょっと、やめてよ。顔上げて。私は健太君と一緒に居るだけで楽しいの。むしろ、たくさん話せる喫茶店が初デートの場所で嬉しいよ。」  彼女は焦り、慌てて健太に声を掛ける。  そんな彼女の慌て方は見ている者ですら、そこまで慌てなくても……と思う程のものである。  その声を聞き健太は頭を上げたがその表情は暗いままだ。 「そう言って貰えると嬉しいんだけど、初デートがヘボいのは変わらないんだ。でもね……」  健太はそこでタメを作る。
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