プロローグ

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「どうしたの?トイレなら遠慮せずに行きなよ?」  健太は彼女をいじる楽しみに目覚めたのようだ。それとも、可愛い顔してSなのか。ニヤニヤする。  弄られはじめた彼女は潤んだ目をさらに潤ませて今にも泣きそうだ。 「違うよぉ。やっぱり、今日は意地悪な健太君だ。私はMじゃないんだけど……ってそうじゃなくて。私旅費が無いの。こんな豪華な船の旅なんだから結構するでしょ?」  確かに、これだけの豪華客船での旅行となれば、6桁にのぼる旅費を見なければならないだろう。
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