第一章

11/18
前へ
/29ページ
次へ
5.  森の中を彷徨い数日。  強くなろうと、他の動物達を見て廻ったが、自分ではとてもじゃないが太刀打ち出来ないモノ達ばかりだ。身長は優に倍以上あるし、鋭い牙や爪を備えたまさにモンスター達に小型犬程の自分がどうこう出来ようがないのは明白。  ならばと、先日の骨野郎と似たような相手を探してみたが見つからない。  確かにこんな山奥に人間が態々足を運ぶこと事態稀だし、死んで骨野郎に成るとも限らない。  手頃な敵はいないのか。  このままでは自分が他の動物に捕食されかねない。  今は運よく肉食獣とエンカウントをまぬがれているが、いつ鉢合わせするかわからない。  早急にレベルアップするしかない。そのための紫色の靄だし、きっとアレは経験値に違いない。ドラ○エ先生とかファイ○ルファン○ジー先生が生前教えてくれたよ。敵を倒せば強くなるって。  なのに身近な敵は皆高レベル。  ……手詰まり感がいなめない。    「わぅ~~~~!(どうすればいいんだ~!)」  魔法は出ないのか、魔法は。  「わう!(メラ!)」  「わう!(メラ!)」  「わうわうーわ~~!(メラゾーマ~~!)」  うんともすんとも火が出ない、チクショウ。  「わうわ!(ファイヤ!)」  「Πγυδαι」
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60人が本棚に入れています
本棚に追加