小椋再び

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「ちっ‥せっかくの休みだってのに‥‥」 ここは結婚式場も併設されているホテルの6階の部屋。 この隣に寝てる女は昨日俺の子を堕胎した。 勢いでこんな若い女に手を出してしまった。しかも酔って避妊もしなかった。 頭の中をほんのちょっとだけ後悔が過ぎる。 ま、いいか‥無事に手術も終わったからこの女ともこれで手を切れる。 産みたいとか言った時は焦ったぜ‥‥。 「ん‥‥あ、もう起きたの?おはよう‥‥」 「おはよう、気分はどうだい?無理しちゃダメだよ。」 「ありがとう‥大分いいわ‥‥昨日は辛かったけど‥あなたがずっと傍にいてくれたから‥こんな部屋までとってくれて‥‥‥」 女なんて、ちょっと優しくしてやりゃこれだ‥ちょろいもんだぜ。 「何を言ってるんだ‥僕がふがいないばかりに君にばかり辛い思いをさせてしまって‥‥すまない‥‥うっ‥」 「小椋さん!泣かないで!決めたのは私なんだから‥」 女は俺の首にぶら下がるように抱き着いて来た。 ああ‥欝っとしい‥‥。
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