第1章 日々

12/27
前へ
/500ページ
次へ
まだ新しい建物の壁はこげ茶色に塗られ、その存在に威厳を感じさせる。 今では明雄大学のシンボルとして知られている。 内部には、中央塔の6階部分に学長室を置き、講義用の大講義室がいくつも造られている。 だが、不思議なことは7階部分の部屋に何があるのか誰も知らないのである。 その階へ行くこと、そしてそこに何があるか知ることは暗黙の掟で禁止されているかのように。 1号館の7階に何があるか話題にもならないし、ほとんどの学生は興味もないようだった。 だから、好んでその場所を訪れようとする者はいないのである。
/500ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加