第1章 日々

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その日、市原 和馬(いちはら かずま)はいつもより早く目を覚ました。 外はまだ薄暗く、11月も半ばを過ぎ少し肌寒くなった空気を感じながらゆっくり目覚まし時計の針を確認した。 「7時…か」 擦れた声を絞り出しそう呟いた。 いつもより30分も早く起きた事に我ながら感心し、うるさいアラームの音を聴かずに済んだことを良しとした。 2度寝をしようとも思ったが、今日はそのまま布団から出ることにした。 洗面台で顔を洗い、着替えをし、朝食の支度をする。 慣れた手つきで食パンを焼き、インスタントのコーヒーにお湯を注ぐ。
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