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「そろそろ行くか」
またいつもの日常を過ごすことに、身体のどこかで憂鬱さを感じ、溜め息のような言葉が漏れた。
鞄を肩にかけ、玄関へ向かう。
靴をはき、ドアノブに手を掛ける。
いつもと同じ、変わらない。
このまま右手をひねり、あとは朝の空気を全身に受けながら、右足を前にだすだけ。
だが、何かが違った。
ドアが重く、足が動かない。
それはほんの一瞬の出来事だったが、永遠と続く時間のようにも感じられた。
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