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その日は、酷い大雨だった。
気を抜くと沈んでしまうほどの深さの水に浮かぶ二人、泥や枝等が入り雑じる水に上手く泳ぐことが出来ないでいた。
藍色の髪をした少女がもがき、琥珀色の髪をした少年がその手を掴み、引き寄せる。
救助の船が気付いた矢先、一際大きな波に為す術もなく呑み込まれていった。
呼吸が詰まる。引き裂かれ、焼けるような痛みと嘔吐感。
離れる手。
引き離された兄妹。
最期に焼き付いた姿は───
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