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何でこんな事になってしまったんだろう?
これは夢なんだろうか?
そうだ。そうに違いない。
そうでなければ、今俺の身に起こっている事は、なんだろうか?
赤色の体に紫色の翼……
体は、強固な鱗で覆われ黄色く尖る嘴には、黒いコートが引っ掛かっている。
そう……俺のコートだ。
地上何千メートルという高さを普段着で飛んだのは、初めてだ。
「いや……てか、ここ何処だ?」
見渡す限り森、森!森!!
こんなに自然を見たのは生まれて初めてだ。
「はぁ……こういう時に冷静な俺が腹立たしいな」
夕日が沈みかけ、もう間もなく夜になりそうだ。
目線を化け物の嘴に移し、命綱の漆黒のコートを見る。
今にも千切れそ……
ビリ!!ビリビリビリビリ!!
「む……」
整ったツンツンの髪の毛に腰まで伸びた髪が風で逆立ち、妙な浮遊感に教われた。
視界に大地がだんだんと近づいてくる。
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