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「大分落ち着いたわね。それじゃあ、今から異象と対面する方法を説明するわよ」
「はい」
僕が落ち着ききった態で答えると、儚さんは話を続ける。
「異象と対面するには、何故、自分が異象と巡りあったのかを、思い出す必要があるわ。ここで絶対間違ってはならないことは、異象とは、巡り遭ったのではなく、巡りあったということ」
「どういうことですか?」
「つまり、貴方は不幸のもと、異象と遭ったのではなく、自ら望んで、異象とあったということよ」
自ら望んで……? 僕はこんな異常な力、望んだ覚えはないんだけど。
「貴方、今、自分はそんな力、望んだ覚えなんて無い。と、そう思ったわね?」
うわ! 図星。
何で毎度、毎度、この人は勘がいいんだ。人を見透かすのが上手いんだ。
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