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激しい水の音が辺りに響き亘り、きらきらと水飛沫が舞い散ると共に、帰蝶は冷たい水の中に放り込まれていた。
「......わっ......ぷ」
何が起きたのか帰蝶は理解出来ないまま、肌に刺さる程冷たい水の中で呆然と立ち尽くしていた。
「あれ?おかしい」
手を、自分の顎に乗せ悩ましげな表情で土方は、ポツリと囁いた。
そんな土方を水中で呆然と見つめていた帰蝶は、ハッと我に返ると土方に向い罵声を浴びせた。
「何をするのじゃ土方! 妾は、心の臓が止まるかと思ったぞ!」
そんな、帰蝶を見ながら土方は悪びれる様子も無く、相変わらずの微笑を投げ掛けた。
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