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「後で少し話すことがあるんだが、時間はとれるな」
泉が了承するのを前提とした会話に周りは少し驚いたようだったが、泉も特に嫌な顔もせず断るわけでもなく、何時ものようにこくりと小さく頷いて見せる。
すると、周りはこれが二人のうちでは普通のやり取りなのだと把握したらしい。
何も言わず、座敷の端の方での会話にそっと聞き耳を立てていた。
「昼前の分の仕事が終わったらいつもの甘味処で餡蜜でも食べて待っていろ、私も用事を一つ終わらせたらすぐに行くから
私の分の団子も頼んでおいてくれ」
斎藤は言うことだけそう言い切って話を終わらせ、泉から視線を外し茶碗の中の残りの飯を口の中へ黙々と運び出す。
箸がかなりの頻度で口と茶碗を往復する様子…しかししっかりと口の中のものを噛んでいるのを見て、泉はふっと心の内で、知り合ってから今更の感想を呟いた。
(……一、それ、もう四杯目…)
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