鉄扇の人と浅葱の夢。

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    …………………当然、嘉一自身も芹沢が本心から自分を気に入ったなどとは、思ってなどいない。 (大方、副長の下にいる人間が欲しいんだろう ……最悪顔かな) 何よりも、自分の主観より土方らの言っていた話を信用したかった。 (きっと、そうに違いない) そう自分を納得させながらも、自分の胸を突いた鉄扇。 あの男の力強く、芯の通った目の内にあった、何か。 それがどうにも分からぬ今、嘉一は自然と眉をしかめざるを得なかった。  
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