阪の絹糸はお幾らでっか。

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その一線は、絹糸のような細くて細くて堪らないほどで、踏み越えようと思えば、容易に、いくらでも踏み越えられるような、それだった。 けれどそれに気づいたのは、もう、少しばかり遅かった。 そう、ほんの、少し、少しばっかり。 細い、細い一線を、ついに踏み越えたその日。
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