日常が終わる夜

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「ほな、全員行くっちゅーことで出発!」 全員行く事に気分を良くしたんか、元気を取り戻してきたすばるくん。 メンバー皆で楽屋を後にし、廊下ですれ違うスタッフの人らに挨拶を交わしながら出口へ向かう。 「よし!気分がえぇから正面口から出るぞ!」 「そない張り切らんでも、いつも正面口から出入りしとるわ、アホ」 バシッという良い音の正体は、村上くんがすばるくんの頭をシバいた音。 村上くんのツッコミは最強やねんで? そんなシバかれた事さえ許してしまっているすばるくん。相当機嫌が良いみたい。 「…………すばる?」 先頭を歩いていたすばるくんが急に立ち止まった それにいち早く気づいた横山くんが声をかけたけど、返答がなく真剣な顔付きになってる。 「……お前ら、耳澄ましてみ」 すばるくんが真剣な表情で言うもんやから、皆も疑うことなく逆に従わなければと思わせる圧力やった。 ――我等の力、早く覚醒を。 「…聞こえたやろ?お前らにも聞こえたんちゃう?」 「聞こえた…いうか、頭に響いた…?」 「そう、それや。俺、なんか嫌な予感するわ。この正面口出たら…」 すばるくんが確認し、マルが恐る恐る答えて頷くすばるくん。 すばるくんの真剣な表情、その眼差しは正面口の向こうを見ていたんや。
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