日常が終わる夜

11/18
前へ
/27ページ
次へ
「……行くで」 「ちょ…っ、すばる?!」 意を決したように正面口へ進んで行くすばるくん それを止めようと、慌てて村上くんがすばるくんの前に立ちはだかった。 「すばる…危ないって分かってて行くんか?」 「そうですよ!危ないんやったら、此処から出ない方が……」 静かに村上くんが問いかけ、便乗するようにヤスが言いにくそうに問う。 それでも、すばるくんの真剣な目は変わらんかった。 迷いがない…そう、僕は感じた。 「…俺かて不安や。でもな、今この場におらん大倉は?俺ら全員にアレが聞こえたんや…大倉にも聞こえてるはず」 たっちょんの名前が出て、皆ハッと気づいた。 同じ場面に出くわしてたら、もう既に俺らより危ない目に合ってるんかも知れん… 「すばるくん…行きましょう」 「りょ、亮ちゃん…」 「内、大倉が心配やろ?大倉と合流せな」 僕が不安な声を出すと、子供をあやすように優しい声で説明してくれた。 それを見てた他の皆が、すばるくん同様意を決したように顔付きが変わった。 「よし…なら、行こか」 すばるくんが一歩踏み出し、皆がそれに続く。 俺らは正面口からスタジオを後にした。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

72人が本棚に入れています
本棚に追加