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同じ頃――
「…ここ何処なーん…?」
内が不安な声を出すんも仕方ない
その言葉通り、俺らは知らん場所におる。
スタジオから一歩踏み出したら、森の中におったんや。
まるで…タイムスリップしたかのように、俺がよく知る森とはまた違った森や。
そんな内は、俺の腕から離れようとせぇへん。
「なんやワクワクするな!な、ヤス!」
「マルは、もうちょい緊張感持った方がえぇよ」
マルは能天気やな、こんな現状でも。
逆にそれはいいかも知れん
皆の緊張が少しでもほぐれればいい…
「おい、アレ…」
「なんや嫌な予感してきたわ」
横山くんが何かを見つけて、顎で示す。
その一点に皆の視線が集中する
青白い異様な雰囲気のある場所に…
村上くんが皆の心の中を代弁する
まさにその通り、行きたくないけど…行かなあかんのやと思う、あの場所に。
「迷っても意味ない、行くで」
こういう時、すばるくんは強いと思う。
すばるくんに続き、青白い光に向かった。
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