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「ちょー!亮ちゃんたち消えた!」
マルの叫びで、僕らは気づいた。
一斉に後ろを振り返るも、3人の姿は無かった……はぐれた?
いや、あの3人がはぐれるはずがない。
ということは…
「…この森のせいやな」
すばるくんは、冷静に言った。
まるで分かっているかのような言い方やったけど、すばるくんの顔は険しかった。
無事を祈ってる…それがヒシヒシと伝わってきた。
「行こか、亮達も立ち止まってないはず。アレに向かうで」
すばるくんを代弁するかのように、村上くんが言った。
そう、僕らが立ち止まってたら意味がない。また会えるんやから。
「マル!僕らも行こ!」
「せ、せやかてな…?」
心配して、ずっと後ろを見ていたマル。
誰も現れそうにない真っ暗な闇の中を…
「大丈夫やって、あそこ行ったら会える。僕らが動かなあかんねん」
マルの優しさは一番知ってる
納得しきれてないみたいやけど、僕らはマルをなんとかその場から動かし、アレに向かって進んだ。
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