日常が終わる夜

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「お…お兄ちゃん…」 真っ赤な月を眺めながら先程のことを思い返してたら、楓が僕を呼んでいた。 僕とはまた別に周りの景色を見比べるようにキョロキョロと見渡してた……挙動不審になっとるみたい。 「楓…どないした?どっか痛いん?怪我してもうたんか?」 「怪我はないんやけど…お兄ちゃん、周り見てみて」 楓が怖がりながらも真剣な目付きでそんな事を言い周りを見てるもんやから、僕も楓が見てる方を見てみた。 「な…なんや、コレ……」 僕が見たもの、これが嘘やと…夢やと願いたいもんやった。 僕らがおったのはスタジオや高層ビルが建つ、いわゆる都心である場所。 ついさっき楓の撮影してたスタジオから出てきたばっかりや …やのに、その建物がない。 それだけやなく、周りにあった家やショッピングセンターなんかもなくなっとる。 殺風景で周りは木ばかり、どうやら俺らは森の中にいつの間にかおるようやった。 「あの月見とって気づかんかった…」 「お兄ちゃん…、嫌な予感する」 楓が真剣な目付きで言う それは僕でも薄々と感じとる さっきの忍者も関係あるんやと思う …メンバーの皆は大丈夫なんやろか?
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