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おぼろげな眠りの中で、三咲は夢を見ていた。
霧が立ち込める森の中に、彼女は独りきりで立ちすくんでいる。
どこに行けばいいのか、何をすればいいのか。
何も分からずに、立ちすくんでいた。
それでも、ただそこにいるというのはどうにも不安だったのだろう。深い霧の中で、なんとか一本のくすの木にたどり着いた彼女は、根元に腰を下ろした。
不安を誤魔化すために膝を抱くと、自然に顔が膝に埋まった。
涙が出て来たのだ。
どうして涙が出てきたのかは彼女にも分からない。
ただ、一粒だけ。涙が零れ落ちてきた。
こんなことがつい最近にもあったような?
そう思うと、何か固いものが落ちる音がした。その先を見ると、小さな光る粒が転がっていく。それは、彼女の涙だった。
「……あっ」
気付けば、手を伸ばしていた。
どうしてだろう、小さく光る様があの夜の雪に見えたから?
わからないけれど、ただそれは無くしてはいけないもののように彼女には思えた。
必死で手を伸ばす。小さな小さな光を、絶対に逃さないぞと希薄を込めて。だから自然と足も動く。必死で地面を蹴る。
勢い良く飛び出した彼女は――
「うぎゃ……?」
頭を打って、目を覚ました。

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