ラブレター

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◇ おぼろげな眠りの中で、三咲は夢を見ていた。 霧が立ち込める森の中に、彼女は独りきりで立ちすくんでいる。 どこに行けばいいのか、何をすればいいのか。 何も分からずに、立ちすくんでいた。 それでも、ただそこにいるというのはどうにも不安だったのだろう。深い霧の中で、なんとか一本のくすの木にたどり着いた彼女は、根元に腰を下ろした。 不安を誤魔化すために膝を抱くと、自然に顔が膝に埋まった。 涙が出て来たのだ。 どうして涙が出てきたのかは彼女にも分からない。 ただ、一粒だけ。涙が零れ落ちてきた。 こんなことがつい最近にもあったような? そう思うと、何か固いものが落ちる音がした。その先を見ると、小さな光る粒が転がっていく。それは、彼女の涙だった。 「……あっ」 気付けば、手を伸ばしていた。 どうしてだろう、小さく光る様があの夜の雪に見えたから? わからないけれど、ただそれは無くしてはいけないもののように彼女には思えた。 必死で手を伸ばす。小さな小さな光を、絶対に逃さないぞと希薄を込めて。だから自然と足も動く。必死で地面を蹴る。 勢い良く飛び出した彼女は―― 「うぎゃ……?」 頭を打って、目を覚ました。

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