ある晴れた日に

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「だぁーー、うるさい!!お前の分もあるから黙れ!」 そしてポケットから2つ目の扇子を取り出し、放ってやる。 「あるなら、初めから寄越しなさいよ! 気が回んない男なんだから、だからモテないのよ」 見下すような目線で俺を見てくるが、特には気にしない。 「悪かったな! それより、拓哉の事みた方がいいんじゃないか?ボールキープしてるし」 と言うと、目を輝かせながらグラウンドに目線を向けた。 どんだけ、乙女なんだよ。 とか内心で考えつつ、俺もグラウンドを見た。 その数分後には、拓哉がゴールを決めてゲームが勝利した。 そして俺たちに向かって、Vサインを決めるアイツは輝いていたのだ。 小学校から変わらない笑顔で、だからコイツもアイツを好きになったんだろう。 そんな2人のキューピット役が俺、 時東 光輝 トキトウ コウキ の役目なのである。
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